説明
平成18年度介護報酬の改定にあたり、摂食嚥下リハビリテーションに関わる介護サービスにおいて、「栄養改善」「口腔機能向上支援」という具体的なサービスが導入された。これらサービスについて、意義、実施方法、及び介護報酬について解説する。
説明
平成12年4月に我が国で初めて施行された公的介護保険は、その年に全国で218万人の要介護高齢者がサービスを利用し、平成27年4月には600万人を突破した。その内訳として要介護度3、4、5といった中等度、重度の要介護者が増加率の伸びを拡大している。これらの要介護高齢者は、少なからず摂食嚥下障害を有していることが予想され、摂食嚥下リハビリテーションとしての関わりが、期待されるところである。
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平成18年度介護報酬改定では、介護保険を受給していない健康高齢者対象の「地域支援事業」、主に要支援者を対象とする「予防給付」、及び従来通りの「介護給付」といった3層構造になっている。
説明
予防給付のサービスに「運動機能向上支援」「栄養改善」「口腔機能向上支援」があり、地域支援事業には加えて「認知症」「うつ」「閉じこもり」予防支援がある。これらを施すことにより、要介護状態や、その重度化を予防することが期待できる。地域支援事業は、市町村単位で行政が主体となり、また予防給付は指定介護予防事業所がとりおこなうものである。
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地域支援事業において、生活機能検診が実施され、その際に基本チェックリストが使用される。そのうち栄養改善と口腔機能向上支援に関する項目が5項目含まれているが、(11)(12)項目の両者、あるいは(13)(14)(15)項目のうち2つ以上にチェックが入るか、血清アルブミン値3.8g/dl以下、あるいは口腔衛生状態が不良か、RSSTが3回未満であれば、特定高齢者施策としてのサービスを受けることが可能となる。
説明
平成27年度より、予防給付のうち訪問介護・通所介護について、市町村が地域の実情に応じた取り組みができる介護保険制度の地域支援事業へ移行することになった。
既存の介護事業所によるサービスに加えて、NPO、民間企業、ボランティアなど地域の多様な主体を活用して高齢者を支援することになった。
説明
訪問介護・通所介護以外のサービス(訪問介護、福祉用具等)は引き続き介護予防給付によるサービス提供を継続。
地域包括支援センターによる介護予防ケアマネジメントに基づき、総合事業(介護予防・生活支援サービス事業及び一般介護予防事業)のサービスと介護予防給付のサービス(要支援者のみ)を組み合わせる。
介護予防・生活支援サービス事業によるサービスのみ利用する場合は、要介護認定等を省略して「介護予防・生活支援サービス事業対象者」とし、迅速なサービス利用を可能に(基本チェックリストで判断)
説明
機能回復訓練などの高齢者本人へのアプローチだけでなく、地域づくりなどの高齢者本人を取り巻く環境へのアプローチを含めたバランスの取れたアプローチができるように介護予防事業を見直す。
年齢は心身の状況等によって分け隔てることなく、住民運営の通いの場を充実させ、人と人とのつながりを通じて、参加者や通いの場が継続的に拡大していくような地域づくりを促進する。
リハ職種等を活かした自立支援に資する取組を推進し、介護予防を機能強化する。
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口腔機能向上支援及び栄養改善サービスは、各々3つの柱から構成されている。
説明
公民館、高齢者クラブの集合場所、あるいは診療所等で、地域支援事業が開催される。口腔機能向上においては歯科衛生士、看護師、言語聴覚士、また栄養改善においては管理栄養士といった専門職により、要介護状態にならないよう健康の維持、増進のためのメニューが組まれている。
説明
予防給付は、デイサービス、デイケアといった通所介護、通所リハにおいて実施される。口腔機能向上支援は、歯科衛生士等の口腔機能向上の専門職による事前アセスメントから始まり、月1回のモニタリング、3か月ごとのアセスメントから構成されており、その都度、アセスメントないしモニタリングにより加算となる。
説明
アセスメントやモニタリングの際に、歯科衛生士に介護支援員(介護職員)が、普段実施している口腔機能向上支援サービスの指示を仰いだり相談をしたり、サービスの能率的かつ有効的な遂行に努める。
説明
予防給付における栄養改善サービスは、その対象者となる基準に、基本チェックリストにおける口腔機能向上関連項目を利用することができる。
説明
管理栄養士により栄養改善サービス開始時のリスクを把握、アセスメント、栄養ケア計画の立案、利用者ならびに家族への説明と同意を行い、3か月ごとの評価、情報提供と記録をとる。その際に栄養改善の効果が期待できる場合は、さらに継続的な栄養改善サービスの提供が可能である。
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介護給付において、経管栄養管理者に対して、経口摂取の可能性を広げる試みに対する加算である。それは、たとえ一口の経口摂取の試みでも保障されるものである。
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介護給付において、経口摂取をしている者に対して、摂食機能低下により経管栄養管理に成りかねない状況を未然に予防する試みへの加算である。
説明
介護保険施設に入所(入院)中の個々の高齢者に対する歯科衛生士の専門的な口腔衛生管理を推進させるために設けられた介護報酬。
歯科医師の直接の指導は必要ないが、医療保険の訪問歯科衛生指導を行った月は実施できない。
説明
介護3施設の施設サービスのほか、認知症高齢者グループホーム、特定施設などで歯科医師あるいは歯科医師の指示を受けた歯科衛生士が、当該施設の介護職員に時間や内容を問わず、技術的助言等を行うことにより施設側が入所者の人数分を掛けた月30単位の加算をすることができる。いわゆる体制加算との解釈である。
説明
栄養ケア・マネジメントを実施している場合には、検食簿、喫食調査結果、入退所簿及び食料品消費日計等の食事関係書類、入所者年齢構成表及び給与栄養目標量に関する帳簿は作成する必要はない。いわゆる体制加算との解釈である。
参考資料
- 厚生労働省ホームページ 介護予防改訂マニュアル(改訂版)URL:https://www.mhlw.go.jp/topics/2009/05/tp0501-1.html
- 介護老人保健施設 平成21年度介護報酬改定資料集、平成21年4月、社団法人 全国老人保健施設協会