説明
【食事場面の観察の意義がわかる】
食事場面の観察は、VF検査のように手順が決められ、緊張を強いる特殊な環境とは異なりより自然な環境から情報を得ることが出来る。また、継続している訓練においても、一定の成果が得られているのか否かを判断することや、観察を通して家族から得た情報とのずれを見極めることも可能である。
【食事場面の観察ポイントがわかる】
食事場面の観察としては、細かな観察ができる位置から行う。より自然な環境から情報を得るためには、『食べている目の前には立たない』 『声掛けをしない』 などできるだけ対象者に意識をさせないような配慮が必要である。
説明
【食欲:観察のポイントと対処法】
食欲に関しては、『食事の最初から、また食事の途中から食欲がなくなっていないか』 『開口そのものを拒否していないか』 『口の中に食物をため込んで飲み込まないことはないか』 『口の中に食物を入れるとすぐに吐き出してしまうことはないか』 などを観察のポイントとする。原因としては、限局されたものよりも原因不明なものが多く、非経口栄養の長期化に伴うもの、摂食で疲労を伴うもの、心理的なもの、全身状態不良に伴うものなど様々である。対処法としては、『嗜好を取り入れる』 『食形態の変更』 『使い慣れた食具に変更する』 『食事時間の検討(他の患者との時間をずらす)』 『食事をする場所配置の選択』 『食事回数の変更』 『介助者の対応』 『服薬による影響の検討』 『全身状態の改善(下痢や便秘なども含む)』 『食事の前に排泄をすませる』 『ストレスの軽減』 『離床を促し活動性を高める(空腹感を高める)』 『手に持たせて食べさせてみる』 などがあげられる。対処法の中に、『嗜好を取り入れる』 『食形態の変更』 と、記載したが提供されるものが毎日代り映えのない同じ食物の繰り返しでは、対象者にとっても飽きが生じ、かえって食欲の低下につながるので十分に検討すべきである。
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【食物の認識:観察ポイントと対処法】
食べるという行動の始まりは、食物認知からである。ここでの観察ポイントとしては、『食事中、覚醒レベルは保たれているか』 『食事に集中できているか』 『食物を口へ運ぼうとするか』 『食物を口に入れたまま行動が止まらないか』 『次々に口へと詰め込んでいないか』 『お膳の中の物を全部認知しているか』 『お膳の中の物を均一に摂取できているか』 『食事をすること自体を忘れていないか』 などがあげられる。その中でも、『食事中、覚醒レベルは保たれているか』 や、『食事に集中できているか』 においては、誤嚥の危険性や不顕性誤嚥への影響が大きいことからみても、特に注意が必要である。覚醒レベルにおける対処法としては、『食事以外の場面でも、無刺激状態を作らない』 『一日の生活リズムを付けさせる』 『離床を促す』 『抗重力位での座位時間の延長』 『立位訓練を行う』 『口腔・咽頭・手・顔などを清潔にし、常に爽快な気分を保つ』 など、日中の活動性を高めることや、食事の際に、『声掛けをして励ます(複数の指示命令が混在している声掛けは避ける)』 『五感を使用して食事に対する認識を高める』 『使用する食器や盛り付けの工夫』 『手添えによる摂食動作のアシスト』 『手続き的記憶の想起』 『安全な食形態への変更』 『介助者と一緒に食べる』 『姿勢の調整』 更に、『薬剤が適切に投与されているか』 などの検討があげられる。一方、集中における対処法としては、『食事中、テレビの音や映像は消す』 『過剰な声掛けは避ける』 『他の患者と食事時間をずらす』 『食堂・病室のどちらを使って食べさせるか』 『パーテーションやカーテンなどで外的刺激を狭小化する』 『食事中は、周囲へ視線が向かないようにする』 など食事に集中できる環境調整が必要となってくる。食物の認識に問題がみられると摂食動作の中断や、嚥下のタイミングにずれが生じ誤嚥を引き起こしやすくなってくる。食べるための対処法を、検討するだけではなく同時に中止事項に関しても検討すべきである。
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【咀嚼と食塊形成:観察のポイントと対処法】
咀嚼と食塊形成に関しては、『咀嚼が必要な食物を判断できるか』 『前歯で噛み切ることができるか』 『適切な一口量を捕食することができるか』 『舌と口蓋で押しつぶせるのか』 『舌尖で食物を臼歯部歯列上に運べるのか』 『唾液と混ぜ合わせて食塊を作れるのか』 『下顎運動が上下運動だけでなく側方運動とともに行われているのか』 などを観察のポイントとする。咀嚼は本来、協調運動によって構成されることから、歯・口唇・舌・頬・咀嚼筋群・唾液などとの、関係も確認すべきである。また、齲歯や歯周病・義歯不適合により、どの程度硬いものが噛めるか、更に、それらの状況下のなかで食塊形成は十分にできるのかなどの観察もあわせて実施すべきである。対処法としては、原疾患の治療は勿論のこと、『歯科治療や義歯の調整』 『食形態の変更』 『固形物と液体の混合嚥下時の誤嚥に注意する』 『開口・閉口運動のアシスト』 『口腔器官の運動訓練』 などが考えられる。
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【咽頭への送り込み:観察のポイントと対処法】
咽頭への送り込みに関しては、『口唇が閉鎖されているか』 『一口量は適量なのか』 『咀嚼は十分にできているか』 『食塊形成は十分にできているか』 『下を向くような不良姿勢になっていないか』 『上を向いて送り込んでいないか』 『舌尖部が歯茎部に接触できるか』 『鼻咽腔閉鎖機能は保たれているのか』 などを観察のポイントとする。これらは、食物の認知や口腔内の感覚の低さ・拒食・嚥下失行・舌運動機能の低下・鼻咽腔閉鎖機能不全などが原因として考えられる。対処法としては、『口唇閉鎖のアシスト』 『開口・閉口運動をアシストする』 『咀嚼運動のアシスト』 『舌の随意運動を引き出すようなアシスト』 『リクライニング角度を下げるなど姿勢の調整』 『嗜好を取り入れた食物の提供』 『付着性の低い食物やトロミ水を提供する』 『食物をのせたスプーンを奥舌に入れる』 『食物をのせたスプーンを手渡す方法』 『2本スプーン送り込み法』 『口腔器官の運動訓練』 『ブローイングや巻笛を用いた訓練』 『頬粘膜や舌へのストレッチ訓練』 などが考えられる。咽頭への送り込みは嚥下反射誘発との関係が強く、送り込みがうまくいかない場合、嚥下反射誘発に対しても影響を与え、結果的に食事時間全体の延長や疲労に伴う摂取量の低下などが見られるので、あわせて観察する必要がある。
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【嚥下反射誘発:観察のポイントと対処法】
嚥下反射誘発に関しては、『口に溜め込んだままでなかなか飲み込まない』 『飲み込もうとしてもなかなか飲み込めないという訴えはないか』 『摂食嚥下機能に適した食物形態であるか』『嗜好や食欲が沸く食事が提供されているのか』 『摂食嚥下機能に適した一口量であるか』 『口唇が閉鎖されているのか』 『鼻咽腔閉鎖機能は、保たれているのか』 『口頭指示理解の程度がどのくらいあるのか』 『食べる意欲や準備が整っているのか』 などを観察のポイントとする。長時間、口に溜め込んでの嚥下では食事時間全体が延び疲労を招いたり、タイミングのズレによって誤嚥が生じることもあり得るので十分に注意すべきである。対処法としては、『嚥下しやすい食形態への変更』 『味覚刺激の導入』 『姿勢の調整(誤嚥を予防する頸部前屈位など)』 『食具を使用せず手に持って食べさせる』 『奥舌部にスプーンで軽く圧刺激を加える』 『嚥下反射惹起のための直接的・間接的嚥下訓練』 『嚥下の意識化』 などを実施する。しかしながら、嚥下失行においては通常とは逆に 『嚥下の無意識化』 を取り入れていくので十分に注意が必要である。
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【姿勢・耐久性:観察のポイントと対処法】
摂食嚥下のメカニズムと姿勢の関係は非常に密接である。姿勢の崩れを含む不適切な姿勢では一般的に誤嚥のリスクが高くなってくる。姿勢における観察ポイントとしては『全身が左右対称でバランスは良いか』 『食事中、安楽な姿勢が継続できているか』 『継時的な姿勢の崩れはないか』 『過剰な緊張や苦痛はないか』 『呼吸や循環は安定しているか』 『滑り座りになっていないか』 『足底が床面に接地しているか』 『安定して顔が正面を向いているか』 『喉頭挙上の制限はないか』 『上肢全体の安定がはかれているか』 『上肢の動作が制限されていないか』 『疲労による摂食嚥下機能の低下はないか』 『食事は見えやすい位置に配膳されているか』 などがあげられる。これらの対処法としては『体幹との過剰な隙間を埋める』 『上肢・足底の安定をはかる』 『ベッド挙上時には背面の除圧を行う』 『顎を引き頸部を前屈する』 『テーブルの高さや位置の調整を行い上肢の安定をはかる』 などを実施する。これらは対象者の過剰な緊張や苦痛を取り、呼吸・循環を安定させ安楽な姿勢を継続させるものである。安全に食事をとって戴くためにも症状にあった姿勢調整は必要不可欠になってくる。
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【捕食動作:観察のポイントと対処法】
捕食動作に関しては、単に上肢機能や食具の操作だけでなく認知面を含めた総合的な評価・判断が必要となる。観察のポイントとしては、『食物や食具を適切に認知し食事動作を開始できるか』 『食物・食具の配置を認知できているか』 『捕食動作としての食具の操作をみる(操作性)』 『姿勢が崩れることなく安全に食事ができているか(耐久性)』 などがあげられる。『捕食動作としての食具の操作をみる(操作性)』 に関しては一括りに、操作が出来るという観察だけではなく具体的にはスプーン・フォーク・箸を正しく使用し、それらを用いて一口大にわける、切り裂く、分けたものを掬う、刺す、挟む、掴むなど様々な行為についても観察する。また、リーチ動作から食具を用いて口まで運ぶという動作に繋がっているかなどもあわせて観察する。『姿勢が崩れることなく安全に食事ができているか(耐久性)』 に関しては、姿勢の崩れがあるのか否か、それに伴う摂取時での、むせ・咳・食塊の移送・誤嚥の有無を観察する必要がある。また、『食事を実施する場所の選択(ベッド上・車椅子・椅子のどこで行うか)』 や、『対象者にとって介助者は実際に必要なのか』 においても、捕食動作と密接に関係があるのであわせて観察を行う。捕食動作の障害に関しては関節可動域の制限、利き手の麻痺、手指の巧緻性障害、失行、失認(食器から口までの距離感覚を認知できない)、失調、姿勢の崩れ、疲労など様々な原因が考えられる。対処法としては、『適切な声掛け』 『摂食動作のアシスト』 『口に運ぶまでの手順の簡略化』 『掬いやすい食器、口に入れ易いスプーン、頸部が進展にならないような食器・食具の選択』 『食物に適した食具への変更』 『安定した安楽な姿勢の調整』 『対象者のペースや疲労の状態に注意する』 『上肢が安定するようなテーブルやクッションの使用』 『手が使えるようなアプローチ』 『非使用手も参加させる』 『利き手交換』 などが考えられる。
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【一口量:観察のポイントと対処法】
一口量に関しては、『一口量が極端に多くないか』 『一口量が極端に少なくないか』 『口唇閉鎖はできているか』 『嚥下反射が起こりにくくなっていないか』 『喉頭侵入や誤嚥によるむせ・咳などはないか』 などを観察のポイントとする。一般的に一口量は一度に口に入れる量であり対象者の生育歴、食習慣、癖によっても大きく左右される。一口量が多すぎると口唇閉鎖がむずかしくなり、口腔内での嚥下圧の低下、食物の咽頭通過が困難、咽頭残留を招くことがある。その結果残留物の喉頭への侵入や誤嚥、更には窒息を引き起こすことにもなりかねない。逆に一口量が少なすぎると口腔内での知覚や味覚が低下し、送り込み運動や嚥下反射惹起が困難・遅延になってくる。通常、一口量はティースプーン一杯程度から開始することが望ましい。対処法としては、『あらかじめVF検査で安全な一口量を確認しておく』 『声掛けによる促し』 『小さいスプーンへの変更』 『適切な一口量を掬ったスプーンを手渡す』 『ゼリーにあらかじめ切れ込みを入れておく』 などがあげられる。
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【口からのこぼれ:観察のポイントと対処法】
口からのこぼれに関しては、『口への取り込み時に口唇閉鎖が出来ているか』 『口唇閉鎖に左右差がないか』 『一口量が適量であるか』 『取り込み時に、こぼれていないか』 『取り込んだ食物が口から出てこないか』 『口から出てくるのは液体だけか・固形物もなのか・両方なのか』 などを観察のポイントとする。口唇閉鎖に関しては、食事場面だけではなく対象者の会話、特に破裂音などからも、窺い知ることができるので、対象者の日常生活においても同時に観察する必要がある。対処法としては、『口唇閉鎖をしやすいスプーンの選択』 『口唇閉鎖と下顎固定の介助』 『食物を口に入れる位置の工夫』 『一口量が適量であるかの確認』 『食形態や姿勢の調整』 『口腔機能の向上のための基礎訓練の実施(間接的嚥下訓練)』 などが考えられる。これら様々な環境調整に加え、対象者に対し、『捕食時、口唇閉鎖に意識を集中させる』 ことも有効である。対象者は捕食時に、こぼれを防ごうと無意識のうちに、すすってしまうことがよく見られる。これによって吸気と嚥下のズレ、更にはむせを生じることがあるので十分に注意する必要がある。
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【摂食のペース:観察のポイントと対処法】
摂食のペースに関しては、『極端に早く、次々と口に運んでいないか』 『認知面での問題を抱えていないか』 などを観察のポイントとする。摂食のペースに関しては一口量と同様に、対象者の生育歴・食習慣・癖などに大きく左右される。対処法としては、『一口・一嚥下を促す』 『一口あたりの咀嚼回数を設定していく』 『食物を小皿に分ける』 『小さなスプーンを用いる』『手を添えてペース配分の学習を図る』 などが考えられる。反対に、遅滞ペースにおいては円滑な嚥下運動の阻害だけでなく、全体の摂取量や疲労に関する問題点についても考えなければならない。
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【食事時間:観察のポイントと対処法】
食事時間に関しては、摂食のペースとの関りが大きい。『食事中の覚醒レベル』 『食事への集中』 『認知面での問題を抱えていないか』 『一食につき30分以上かかっていないか』 『食べる意欲』 疲労』 などを観察のポイントとする。対処法としては、『声掛けによる励まし』 『送り込みが容易な食物形態への変更』 『嗜好を取り入れた食物の提供』 『安定した安楽な姿勢の調整』 『疲労による誤嚥を考慮して、食事時間を45分に設定する』 『食事時間がかかる場合には介助を(全体・一部)用いる』 『介助を用いても改善が見られない場合には補助栄養を検討する』 などが考えられる。反対に食事時間が極端に短い場合には窒息のリスクが高まるのであわせて注意すべきである。
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【むせ:観察ポイントと対処法】
むせに関しては、『むせの有無・回数・程度』 『食事のどの段階でむせるのか』 『特定の物でむせるのか』 『むせた後に声は出せたか』 などを観察のポイントとする。食事中のむせは、喉頭や気管への異物混入を防ぐ反射であり誤嚥を疑わせるものであるが、一方で防御反応が正常に機能しているという捉え方もできる。対処法としては、『吸引』 『姿勢調整』 『むせた後は深呼吸を行い、呼吸が落ち着かせる』 『呼吸が落ち着いてから慎重に食事を再開する』 『食物形態の調整』 『液体に関しては増粘食品(トロミ剤)を用いる』 などが考えられるが、むせや誤嚥防止のためにも日頃から食事中には話しかけないように十分留意すべきである。尚、対処法を実施しても『むせに伴い酸素飽和度が通常より3%の低下、および90%以下になったとき』 『頸部聴診法により嚥下前後の急激な呼吸音の変化が見られるとき』 『気道粘膜に損傷があり異物を排泄しようとする機能が低下した』など変化がみられない場合には誤嚥が強く疑われるので、また『むせた後に声が出ない』 場合には、窒息の可能性があるので、ただちに食事を中止する。尚、食事の継続については精密検査、むせの原因や誘因の解明、呼吸状態の改善がみられてから検討をする。
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【声:観察のポイントと対処法】
声に関しては、『食事中・食後など、どの段階で声の変化が見られるか(痰の絡んだようなガラガラ声に変化していないか)』 『姿勢の状態(頸部の角度を主とする)』 を観察のポイントとする。声の変化は声帯の麻痺・食物の喉頭侵入・咽頭クリアランスの低下などが原因として考えられる。痰の絡んだ声などに代表される湿性嗄声では、持続的に食物や痰が声帯上や梨状窩に貯留している状態にある。また、声門閉鎖不全による、かすれ声や囁き声は声門下圧の低下に伴い誤嚥を引き起こしやすい状態にある。いずれの場合も咽頭残留や誤嚥など咽頭期嚥下障害を疑う。対処法としては、『息こらえ嚥下』 『交互嚥下や複数回嚥下』 『嚥下後の呼気』 『咳払い』 などが有効である。声の変化に伴ってすぐに食事を中止するのではなく、しばらく対処法で様子を見てみる。しかしながら症状に変化が見られない場合には、咽頭残留や誤嚥など咽頭期嚥下障害が疑われるので精密検査を実施し検討する。
説明
【食事内容:観察ポイントと対処法】
食事内容に関しては、『特定のものを避けていないか』 『味覚障害はないか』 『口腔内に疾患はないか』 『義歯は適合しているか』などを観察のポイントとする。嚥下障害者の中には、無意識のうちに飲み込みやすい食物を好み、逆に飲み込みにくいものを避ける傾向がある。それらは口腔期、咽頭期の障害はもとより口腔内疾患、薬の副作用、更には脳卒中片麻痺患者の味覚閾値の変化などが原因として考えられる。その対処法としては、原疾患の治療は勿論のこと、『避けているものの特徴から原因を探る』 『患者にとって飲み込みやすい食物への変更』 『味覚障害や口腔内疾患を引き起こす薬剤の変更に関して医師に相談する』 『義歯の適合については歯科医師に相談する』 『嗜好について検討し取り入れる』 などが考えられる。勿論、栄養の確保が十分でない場合には補助栄養などで補うことも検討しなければならない。
参考文献、引用文献
- 藤島一郎著 『口から食べる嚥下障害 Q&A 第3版』 中央法規、2002 47、68、96、130、131、138、139、141、146~152、159、160、176
- 藤島一郎著・植松宏著 『よくわかる嚥下障害』 永井書店、 2005 84、85、131、179、180 PowerPointについては、P85 2007を改編
- 藤島一郎・藤谷順子 編著、山本三千代著 『嚥下リハビリテーションと口腔ケア』メヂカルフレンド社 2001 123~125、60
- 藤島一郎・柴本勇著 監修 『動画でわかる摂食・嚥下リハビリテーション』 中山書店2004 20~25、29~31
- 才藤栄一・向井美恵・半田幸代・藤島一郎 編集 藤谷順子 著『摂食・嚥下リハビリテーションJJNスペシャル52 』 医学書院 1996 30
- 小山珠美監修・著 松田哲也著 小泉千秋著 『摂食・嚥下障害経口摂取標準化ガイド』日総研、2005 103~106、173~187、276~288、364,371~376
- 矢守麻奈監修、加賀八幡温泉病院リハビリテーション科嚥下障害研究会編著 日総研、1999 『ステップ方式で学ぶ摂食・嚥下リハビリテーション』 17、39、42、126、134、135
- 吉田哲二・伊藤裕之・堀口利之・鈴木康司・大前由紀雄 編集 『嚥下障害 Q&A』医薬ジャーナル社、2001 129、190、192
- 小山珠美編集 『口から食べる幸せをサポートする包括的スキル』 医学書院 2015 20~23,36~67、80~87、96~107、113~134