18.食中毒の予防

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説明

食中毒防止の必要性について述べる。
食品や嚥下食を訓練の因子として使用するために食中毒防止については、特に注意を要する。

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説明

食中毒を予防するためには各施設や家庭においての衛生管理の徹底が重要となる。
医療施設、介護施設などは厚生労働省が作成した『大量調理施設衛生管理マニュアル』や『中小規模調理施設における衛生管理の徹底』などに沿って食中毒予防を徹底させることと各施設に合わせた予防方法を構築することも重要である。

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説明

食中毒を引き起こす主な原因は「細菌」と「ウイルス」である。細菌は温度や湿度などの条件がそろうと食べ物のなかで増殖し、その食べ物を食べることにより食中毒を引き起こす。一方、ウイルスは低温や乾燥した環境中で長く生存し、細菌のように食べ物の中では増殖しないが、食べ物を通じて体内に入ると、人の腸管内で増殖し、食中毒を引き起こす。

細菌が原因となる食中毒は夏場(6月~8月)に多く発生する。食中毒を引き起こす細菌の多くは室温(約20℃)で活発に増殖し始め、人間の体温ぐらいでの温度で増殖のスピードが最も早くなる。また、細菌の多くは湿気を好むため、気温が高くなり始め、湿度も高くなる梅雨時には、細菌による食中毒が増える。

低温や乾燥した環境中で長く生存するウイルスが原因となる食中毒は冬場(11月~3月)に多く発生する。食中毒の原因となる代表的なウイルスであるノロウイルスは、調理者から食品を介して感染する場合が多く、他に二枚貝に潜んでいることもある。ノロウイルスによる食中毒は、大規模化することが多く、年間の食中毒患者数の5割以上を占めている。

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説明

平成29年度の食中毒原因物質患者数発生状況を示す。

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説明

食中毒の種類とその特徴一覧を示す。

菌種によってそれぞれ異なった特徴や対策法ではあるが、次に示す食中毒防止の重要管理ポイントを抑え、衛生管理を徹底することで食中毒は予防できる。

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説明

HACCPとは「Hazard Analysis Critical Control Point」の頭文字をとったもので、1960年代にアメリカ宇宙局(NASA)宇宙旅行士の食事のために考案された微生物抑制のための安全・衛生管理手法であり、国際的に広く認められている食品の品質を保証する自主的な衛生管理システム。日本では「危害分析重要管理点」と呼ばれている。

HACCPは危害分析(HA)・重要管理点(CCP)からなる。

HAは「危害分析」の意。食品の製造、加工、調理等の工程全体を通して危害の発生を防止し、連続した食品の安全確保を図り、その保証をするシステムである。

CCPは「重要管理点」の意で、危害分析で明らかにされた危害について、この危険を防止するために各工程の中で、特に厳重な管理を行うべき箇所を定めている。

上記を基本に、それぞれの施設に合わせた食中毒の防止方法を考えることが重要である。

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説明

本マニュアルは、集団給食施設等における食中毒を予防するために、HACCPの概念に基づき、調理過程においる重要項目を示している。集団給食施設等においては、衛生管理体制を確立し、これらの重要管理事項について、点検・記録を行うとともに、必要な改善措置を講じる必要がある。また、これを遵守するため、更なる衛生知識の普及啓発に努める必要がある。なお、本マニュアルは同一メニューを1回300食以上又は1日750食以上を提供する調理施設に適用する。

大量調理施設衛生管理マニュアルの趣旨としては4項目が掲げられている。
趣旨1.原材料受入れ及び下処理段階における管理の徹底:原材料受入れからカット作業時保存・保管までの調理作業工程の留意点について明記している。

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説明

大量調理施設衛生管理マニュアル趣旨2.加熱調理食品については、中心部まで十分加熱し食中毒菌を死滅させること。

食中毒はその原因物質によって大きく、細菌性食中毒、化学性食中毒、自然毒による食中毒に分類され、その他ウイルス性食中毒、寄生虫性食中毒もある。ここでは食品を媒介として起こる病気のほとんどは病原性微生物、とりわけ細菌によって起こる。さらに、近年においてはノロウイルスによる食中毒が多発している。食中毒を引き起こす細菌やウイルスは多種あり、それぞれ異なった特徴があるが、どの細菌にも共通している弱点は、熱に弱いことである。食品の調理工程において、時間と温度の管理を徹底して行うことで食中毒は予防できる。

細菌は“食中毒危険温度帯”と呼ばれる16℃~52℃の間で急速に増殖するため、細菌の成長を防ぐための留意点を示す。原材料の保管から調理工程時、喫食までを通して、時間と温度の管理は重要である。
食中毒菌は熱に弱いという点からも、加熱調理の工程においては、調理中の加熱温度や保存温度を確認し食中毒菌を死滅させる。
または、加熱調理しない生野菜などの調理も温度上昇させないよう迅速に行い、10℃以下で保存する。

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説明

スライド8の内容を図に示す。

食中毒の予防の重要管理ポイントは“食中毒危険温度帯”を避け、時間と温度の管理を徹底することである。

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説明

大量調理施設衛生管理マニュアル趣旨3.加熱調理後の食品及び非加熱調理食品の二次汚染防止を徹底すること

二次汚染防止の第一は手洗いの慣行である。スライドの示した手洗いポイントごとに手洗いを実施すること。また、2度洗いが効果的である。

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説明

二次汚染防止策としての第二は、調理場所や調理器具は衛生的な状態のものを使用し、調理後は、洗浄・殺菌・乾燥を徹底して行い、衛生状態を保つことである。

さらに、嚥下食調理において使用頻度の高いミキサー類は、分解洗浄できる構造のものを使用し、最低1日一回以上分解して洗浄、殺菌し、乾燥したものを使用すること。

また、ノロウイルスによる食中毒は大規模化することが多いため、塩素系消毒剤(次亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸水、次亜塩素酸水等)を用いてノロウイルスを不活化させる策を講じる必要がある。

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説明

まとめとして“食中毒予防の三原則“を示す。

  1. 清潔:菌をつけない
  2. 迅速:菌をふやさない
  3. 殺菌:菌を殺す

さらに、ウイルスの場合は、調理室内へウイルスを「持ち込まない」、「ひろげない」ことが重要である。

1)持ち込まない:健康状態の把握・管理
調理者等が調理室内にウイルスを持ち込まないためには、ウイルスに感染しない、感染した場合には調理室に入らないことである。そのためには、日頃から健康管理や健康状態の把握を行い、おう吐や下痢の症状がある場合などは調理を行わないようにする。

2)ひろげない:手洗い、定期的な消毒・清掃
万が一、ウイルスが調理室内に持ち込まれても、それが食品に付着しなければ食中毒に至ることはないので、こまめな手洗いを行い、調理器具などは洗剤でよく洗った後、熱風や熱湯消毒を定期的に行うようにする。
医療施設、福祉施設はもとより、家庭においてもこの三原則を遵守することが重要である。

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参考文献

  1. 大量調理施設衛生管理マニュアル:厚生労働省 平成9年3月24日付衛食第85別添(最終改正:平成29年6月16日 生食発0616第1号)
  2. 厚生労働省HP>政策について>健康・医療>食品>食中毒
  3. 医歯薬出版 臨床栄養 特集 食中毒を防ぐ:2015.11
  4. 佐藤節子、平泉幸子:食中毒のない台所 1996.8
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